はじめに
こんにちは、栗田です。
これまでエンタメスタートアップで働いてきたり、個人でUI /UXデザイナーをしていたり、現在は習慣化支援のエンタメ?スタートアップの代表をしています。習慣化支援といった体験設計が重要視されるサービスになるため、相当のインプットを通して創業しました。
Kuri`s NewsLetterではこういった今までのインプットである、コンシューマー向けのプロダクト開発や体験設計、UXデザインについて記事を書いており、今まで「リテンションをどう高めるか?」「優れたToCサービスのグロースに関して」など3記事を書いてきました。
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今回は前回の記事の最後にアンケートをとった結果、
「なぜショート動画ハマるのか?」というトピックを見たいといった方が一番多く、今回はこのトピックについて書いてみました。
ただ、今回の記事はショート動画に限らず、中毒性があるエンタメサービス全般に言えることでもあるので、今回のトピックには興味ない。そういった人でも楽しめるような内容だと思います。
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なぜショート動画はハマるのか?
TikTok見ていたたらいつの間にか数時間経っていた!そういった経験がある方はほとんどなのではないのでしょうか?
実際、僕もショート動画は好きでよくインスタグラムのリールもYouTubeのショート動画を視聴しています。
ではなぜ、こういったショート動画はハマるのでしょうか?
結論からまとめると、まずコアとして
短期的なフィードバックサイクル
可変的、不確実性が高いインセンティブ、フィードバック
そして、よりコンテンツ毎のエンゲージメントを高めるために
社会的評価とFOMO
損失回避
といった要素があるからこそショート動画はハマっていきます。
1つ1つ説明していきます。
短期的なフィードバックサイクル
ハマる体験のためのコアとして、ショート動画に限らず短期的なフィードバックサイクルというのは必ずといっても必要です。
ではなぜこの短期的なフィードバックサイクルが必要なのでしょうか?
そもそも短期的なフィードバックサイクルとはなんなのでしょうか?
まず前提として、ハマる体験のためには
内発的な動機付けを高めることが重要だと前々回のnewsletterで説明しています。
まだ読んでいない人は読んでもらえると今後の話が理解しやすいと思います。
この記事を見たらわかると思いますが、ハマる体験に必要な内発的動機付けを高めるためには、社会的心理欲求理論である『自律性』、『有能性』、『関係性』といった各欲求を満たすことが重要であるということ説明しました。
そして実はこの中で更に優先順位高く重要なものがあります。
それが有能性欲求です。
記事にも書いていますが、
有能性欲求とは「自身が置かれている環境下で自らの力を発揮し自分の有能さを示したい」といった欲求のことで、これは人間誰しもが本来持っている欲求です。
そしてこの欲求は短期的に満たされるサイクルがあればあるほどユーザーは体験自体に楽しみを覚えて、ハマりやすくなります。
例えば筋トレやダイエットは続かない、継続が難しいと言われていますが、こういった習慣が続かないのは結果が出るまでが3Week~3Monthと遠く、こういったフィードバックサイクルが長期的だからです。
つまり、こういった人間心理学、欲求構造の背景から
ショート動画がハマる理由というのは、スライドして結果が出る(有能性を感じる)までつまりフィードバックサイクルが短期的であるからこそハマるわけです。
可変的、不確実性が高いインセンティブ、フィードバック
次にショート動画がハマる理由として可変的、不確実性が高いインセンティブ、フィードバックが挙げられる理由について説明していきます
上記では短期的なフィードバックサイクルが存在しているとユーザはハマっていくと説明していきました。
しかし、ただ単に単調なフィードバックサイクル。例えば同じような動画スタイルが永続的に出てくるようなフィードバックサイクルではユーザーは飽きてしまいます。
ではどういったフィードバックサイクルだと飽きずに見続けることができるのでしょうか?
そこで重要なのが可変的、不確実性が高いインセンティブ、フィードバックです。
実際、これらは1900年代から研究されており、心理学者であり行動分析者のスキナーの研究によると、ランダムなフィードバック、つまり予測不可能性が高いインセンティブの方が、エンゲージメントが高いことが分かっています。
例えば、スロットやパチンコは非常に不確実性、つまり予測不可能な要素を含んでいるだからこそユーザーは依存していきますし、ゲームのガチャや育成要素なども同じです。
こういった背景があり、可変的なフィードバックというのは現在シリコンバレーから産まれたトップティアのサービスには、ほとんどと言っていいほど重要な基盤となっているほどです。
そしてもちろんショート動画にも
ユーザーは次の動画で何が見られるか?どういった情報を得ることができるか?といった予測不可能な要素を含んでいます。そのためショート動画はハマっていくわけです。
つまりショート動画がハマるコアは
フィードバックサイクルが短期的であり、そのフィードバックが可変的インセンティブだから
に収束するわけです。
ちなみにこれはショート動画に限らず、ゲームやTwitterにも当てはまりますし、これからエンタメサービスを作っていく方は、最低限このコアに当てはまっているか確認してみると良いと思っています。
社会的評価とFOMO
次になぜハマる要素として社会的評価とFOMO、そして損失回避とデフォルト効果が必要かについて説明していきます。
ハマる仕組みを作る上で上記のコアはMust haveで必要ですが、さらにコンテンツ毎のエンゲージメントを高めるnice to haveな要素を含めることで、よりハマりやすい体験を作ることができ、これらをショート動画(Tiktok)には含んでいます。
それが社会的評価とFOMO、そして損失回避です。
まず社会的な評価とFOMOについて説明していきます。
社会的な評価とは誰がどれぐらい見てて、どれぐらいいいねしてるか?といった表示のことです。
実はこういった評価というのは非常に重要であり、こういった社会的に認められた評価は、ユーザーから見ると見逃すことへの恐怖(FOMO)になって それがコンテンツを視聴する動機付け、エンゲージメントに繋がるためです。
例えば、自分の経験と照らし合わせてみると実感しやすいと思うのですが、Youtube上で面白そうなyoutuberと出会った時、一番最初に視聴をしたいと思うのは、一番再生回数が多いコンテンツなのではないのでしょうか?
このように、社会的な評価というのはエンゲージメントに大きく影響を起こすため敢えて社会的な評価を提示するというのはユーザーがハマる要素に大きく関係するのです。
最近?ではYoutubeが bad評価を消しましたが、実際YouGov Directが行った調査ではYoutubeを見ている成人のうち40%はみる頻度が減少したという結果もあって社会的評価というの重要なことがわかると思います。
また、Twitterがインプレッション数や保存数を反映させたのもこういった背景があるからだと考えています。
損失回避
次に損失回避について説明していきます。
そもそも人間は何か行動するにあたり、何かしら期待値を持ってるからこそ行動を起こしています。ショート動画の場合でいくと、潜在的に面白いコンテンツを見たいといった期待値より行動をするわけであり、満足する前に視聴を終えるとユーザーは不満感を覚えることになります。
そういった面白いコンテンツを見逃す不快感を避けるためにこの損失回避といった要素ははまるという体験に大きく影響します。また人間は損失を過大評価してしまう。つまり『コンテンツを見逃す』といった損失は昨送りしたいといった考えるバイアスを持っており、それが視聴を継続する原動力となり、ハマる要素に影響するわけです。
他にも損失回避に相関して現状維持バイアスも働くので補足しておきます。
まず現状維持バイアスとは未知のものや変化を受け入れず、現状維持を望むバイアスであり、スライドするだけで配信が続くといった環境下では今の状態を続けたいといった現状バイアスが働くからこそ、ユーザーはハマっていくわけです。
まとめ
今回はショート動画に中毒性がある理由について行動経済学や心理学観点より分析してみました。まとめると
短期的なフィードバックサイクル
可変的、不確実性が高いインセンティブ、フィードバック
社会的評価とFOMO
損失回避とデフォルト効果
といった要素があるからこそショート動画はハマっていくわけです。
ただ、これは他のエンタメサービスやユーザーを習慣化させたい場合にも活用できるため、ぜひ参考になるためぜひ見返して自社サービスに落とし込んでみることもお薦めています!
今回もありがとうございました!
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